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「ファイルが入らない」閉鎖根管の克服

[2026.06.29]

マイクロスコープとCTを駆使した歯内療法専門医による精密根管治療
今回ご紹介するのは、左上5番(上顎第二小臼歯)の閉鎖根管症例です。
「根管が細すぎて器具が入らない」「神経の管が見つからない」といった閉鎖根管は、根管治療の中でも特に難易度の高いケースです。こうした症例では、無理に治療を進めると本来の根管から外れてしまったり、歯に穴を開けてしまう(パーフォレーション)リスクがあるため、正確な診断と精密な治療が欠かせません。

術前CTです。


術前CTで分かったこと
① 根管が非常に細く、閉鎖根管になっている
術前CTでは、根管の入口から先が石灰化により非常に狭くなっており、通常のファイルでは容易に挿入できない状態でした。
このような閉鎖根管は、加齢や長期間の刺激などによって歯の内部に象牙質が形成され、根管が細くなった状態です。肉眼や通常のレントゲンだけでは根管の位置や走行を把握することが難しく、治療の難易度が大きく上がります。
② CTで2根管を確認
さらに術前CTでは、この歯が2根管であることも確認できました。
上顎第二小臼歯は2根管であることも珍しくありませんが、閉鎖根管では根管口が分かりにくく、1本しか治療されないケースもあります。
CTによって根管の位置や方向、分岐の状態を立体的に把握できたことで、治療前に十分な戦略を立てることができました。
歯内療法専門医による精密な根管治療
当院では、歯内療法専門医が歯科用CTとマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を駆使し、精密根管治療を行っています。
今回の症例でも、術前CTで得られた情報をもとに根管の位置を正確に予測し、マイクロスコープで拡大しながら慎重に閉鎖した根管を探索しました。

8-10テクニックを使用。

また、その後のNファイルはJIZAIを使用しました。できるだけ、歯質の温存に努めました。

その結果、非常に細い根管でありながら、本来の根管を見失うことなく到達し、2根管とも適切に治療することができました。
術後CT


術後CTでは、
閉鎖していた根管の先端まで到達
2根管とも適切に根管形成・根管充填
根管の走行に沿った緊密な封鎖
が確認できます。

また、術前では黒く溶けていた骨が白く回復していることがわかります。

 

術前CTで診断した2根管を、治療後も確実に処置できていることが分かります。

この症例のポイント
CTで閉鎖根管を事前に診断できたこと。
根管は非常に細く、通常のファイルでは挿入が困難
CTにより2根管を正確に把握
マイクロスコープ下で慎重に根管を探索
歯内療法専門医による精密な根管治療で、2根管とも根尖付近まで治療・根管充填を実施
CTとマイクロスコープが歯を守る
難症例では、「経験」だけでなく「正確な情報」が治療の成功を左右します。
歯科用CTによる立体的な診断と、マイクロスコープによる高倍率での精密な処置を組み合わせることで、閉鎖根管や複雑な根管形態にも安全かつ確実に対応することができます。
「根管が細くて治療が難しい」「神経の管が見つからない」「抜歯が必要と言われた」といった症例でも、歯内療法専門医による精密根管治療によって歯を保存できる可能性があります。難症例でお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。

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